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偏狂W杯!2006年7月5日(水) 準決勝-1
大ドイツ(0−2)イタリア

ホスト国の意地と幸運に、少しだけ地力もついてきた大ドイツを迎えるドルトムントのスタジアムです。
収容人員は65000人との事であるが、見た目にはアッズーリ色が軍団で固まっているところは無く、すべてがドイツ人サポーターと思えるほどだ。
チケットを上手い具合に配布したホスト国の策略のひとつであろう。

大ドイツ(監督:クリンスマン)
GK:1イェンス・レーマン
DF:3フリードリヒ、21メッツェルダ、17メルテザッカー、16フィリップ・ラーム
MF:5セバスティアン・ケール、19ベルント・シュナイダー→(後38)22オドンコール、18ティム・ボドルスキ→(後28)7シュバインシュタイガー
  13ミヒャエル・バラック(C)
FW:11ミロスラフ・クローゼ→(延後6)10ヌィビル、20ルーカス・ポドルスキ

イタリア(監督:マルセロ・リッピ)
GK:1ジャンルイジ・ブッフォン
DF:19ザムブロッタ、5ファビオ・カンナヴァーロ(C)、23マテラッツィ、3グロッソ
MF:21アンドレア・ピルロ
  8ガトゥーゾ、20ペッロッタ→(延前14)7デル・ピエーロ、16カモラネージ
→(延始)15イアキンタ
  10フランチェスコ・トッティ
FW:9ルカ・トニ→(後29)11ジラルディーノ

今日の主審はベニト・アルチュンディアさん。
メキシコ人である。
少しだけ調べると、アテネ五輪のイタリア・アルゼンチン戦の笛を吹いた主審らしい。
0−3であるイタリアが粉砕された試合である。
デ・ロッシとかジラルディーノがいた試合である。
ポマード系ではないが、なんやらドイツ人の策略を感じる。

ドイツの先発は2人ほどいつもと違う。
イタリアの国営放送的テレビ局の"ちくり"によって出場停止となったフリングスとワカムシャ・シュバインシュタイガーが先発に無い。代わりには途中出場でアクションをもたらしていたボドルスキと、初出場ながら地元ドルトムントのケールを起用。
イタリアは明けのマテラッティが復帰しただけのほぼ不動のメンバー。

キックオフはドイツだったが、ファースト・ファールがガトゥーゾ、ファースト・シュート(FKであるが)はトッティと試合の先手を取ろうという意思を感じる。
愛するガトゥーゾは25ヤードほどの位置から不器用そうに、それも利き足ではない左足でシュートを放つ。
先々甥っ子や姪っ子たちへの自慢話の一つ、
「おじさんはW杯でシュートをうったんだよ」
を作りたかったのであろう。
相変わらず愛すべき男である。

徐々にポゼッションはドイツに移る。
新顔のケールという選手を私は知らないが、中盤の底で献身的にイタリアボールをカットしていた。 バラックが右に左に大きくボールを回している。
イタリアの攻撃は大きくボールを蹴っていく直線的な単発のものであり、ドイツのペースかなぁ、と思いながら前半を見ていた。
しかし、FKやCKの数はイタリアが大きく上回っており、実際にゴールエリアまで侵入したのはイタリアが2回、ドイツはゼロじゃあなかったか。

なんとも試合巧者なイタリアである。

ハーフタイムでクリンスマンの「ゲキ!」が飛んだようだ。
後半開始早々から、ケール、ボドルスキと立て続けにゴールを襲う。
さらにクローゼが中央付近から不思議なドリブルでPエリア線上まで侵入してシュート!
これはGKブフォンに阻まれたが、あきらかに前半とは違った。

先に動いたのはクリンスマン。
ボドルスキをシュバインシュタイガー。

すぐにリッピもFWトニをジラルディーノに交代。
少ししてクリンスマンはオドンコール投入。

クリンスマンは勝負に出た。
左からアタッカー的ドリブラー・シュバインシュタイガー、右に韋駄天ドリブラー・オドンコールを配して、疲れの出るはずであるイタリア守備陣を引き裂こうとした。

しかし、カンナバーロを扇の要にしたイタリアの守備陣は動じない。
残り5分くらいのところでPエリアほぼ中央の内側30センチのところでドイツDFがファール。
微妙な判定であるがメキシコ人の笛は鳴った。

ドイツ人の策略的審判選考が効を奏したか、と思われた。
ところが、キックの位置はPアーク内。いわゆるPエリアの外側で、PKではなかった。
ファールをもらったところまでは「運」があったのだが、位置が違うという「不運」もあった。
実に微妙な判定である。

とにかく90分が終わって0−0。
ある意味予想通りの我慢比べである。
リッピは2枚目のカードを切る。
をもらったカモラネージに代えてイアキンタ投入。
その右サイドがドイツ陣営を恐怖に陥れる。

延長開始早々ジラルディーノ。
ドリブルでGラインまで切れ込みながら切り替えしたあとに左足でシュート。
ポストがドイツゴールを守る。
ドイツの「幸運」は生きていた。
さらに、CKからザンブロッタ-!
ものすごいシュートであったが、今度はバーがドイツゴールを守った。
ここまでくれば、「カミガカリ的バカヅキ」である。

ドイツは我慢の時間帯か、と思いきや攻める攻める。
地元のケールが獅子奮迅、交代投入のシュバインシュタイガーやオドンコールが殴りこみ隊長、バラックはすでに動きは無くなっているが不気味な存在感。
まだまだドイツには「ツキ」があり、勝機もあった。

延長戦までのしばしの休息。
準々決勝ではレーマンの横に大カーンがいた。
しかし、さすがに今日はいない。
理由?
「知る人ぞ知る」あの事件である。
あの事件はコチラまで・・・

延長前半終了寸前にデル・ピエーロ投入。
3枚目にカードはリッピが先手を取る。

延長後半が始まった。
コノ試合は、結果論ではあるが、延長の前後半だけでもいくつもの物語が語れそうである。

頼みの綱であるヌィビルを投入するクリンスマン。

デル・ピエーロが2度ほどのビッグチャンスをつぶす。
なにしてんだ!
ほとんどフリーで放ったシュートは枠外へ。
ドイツの「幸運」は残っていた。

ピルロのミドルシュートがゴールを襲う!
これはGKのレーマンが「自力」で守る。
このファインプレーで確信をするレーマン。
残りあと2分、凌げばPK戦、PK戦に弱いイタリアに、PK戦に強いドイツ、
「俺がヒーローだ!」
「なによりあのカーンの上をいける」
というヨコシマな考えが頭をよぎった。

ギューーーーーン!

「幸運のカミサマ」が機嫌を損ねた。

そのセーブをした左CKから新たなドラマが始まった。
それまで決定期を2度もはずさせるなど、デル・ピエーロに試練を与えていた「カミサマ」であったが、今度は違った。
ドイツのクリアが中途半端、カットしたピルロがPエリア沿いを横にドリブル、ドイツDF陣を3人くらいひきつけた瞬間に突然の縦パス!
グロッソが左足でこするようにしてシュートを放つと、逆サイドのドイツゴール・ネットを揺らした。

0−1。
試合は動いた。

しかし、ドイツはまだまだドイツであった。
わずかな時間であれ望みは捨てない不屈のゲルマン魂である。

ところが、一度見捨てた「カミサマ」は冷酷だった。

「ドイツの望み」をかけた攻撃のボールをカンナバロがゲット&ロングボール・パスするや、じらるディーのを経て、「あの」「それまで不運であった」デル・ピエーロが「デル・ピエーロ・ゾーン」からのシュートでゴーーーール!

直後に試合終了の笛。
デキスギ君ほどに壮絶な幕引きであった。

「バカヅキ」はイタリアに移った。

大カーンの心境は如何に!

本日の勝者はイタリアと「大カーン」であった。


偏狂2006W杯!